「藤野っ…?」 「あたしの本気、わかりませんか。」 「そうじゃなくて…え、マジでいってる?」 そういった早川先輩はあたしの頬を両手で包み込んだ。 「あたしのせーで、早川先輩が傷つくなんて耐えられない。 あたしは、早川先輩にあたしのこと忘れて欲しいと思ってた。 でもそれはウソです。 あたしのこと忘れないで、あたしだけみてて欲しい。 それがあたしの本心です。」 そう言い切ると、あたしは頬に重ねられた手に、自分の手を重ねた。 「もう遅いかもしれません。 …でも、信じてください。」