俺が思っていた以上に藤野は鈍感でバカでなにも知らない奴だったらしい。 ダンスパーティの日から、秋は藤野の話をしなくなり、また女で遊び始めた。 あんなに藤野藤野とうっとおしいくらい言っていたくせに、色を失ったような瞳をして毎日女をだく秋に、俺は思わず、無理やりことの次第を聞き出した。 『告白した。キスもしたし。 でも何かが、間違ったみたいだ。 振られたんだよ、俺は。 …幼馴染に負けたんだよ。』 自嘲気味にいって笑った秋は、よろよろと教室をでていった。