ナオコの残念そうな声にはちょっと罪悪感。
でもいいもんね、あたしは無理矢理ここに来たんだから。
それに、他の女の子は帰って欲しそうな顔してるし。
「藤野さん、もうちょっと残りなよ。」
「俺まだ春と話してねぇーし。」
だから、きっとこれもお世辞。リップサービスの得意なイケメンさんの言葉。
「あたし今日は追試で疲れたし。
…こんなに慧が有名だとは思わなかったもん!
それじゃ、慧。
送らなくていいからね?」
「おい、俺も帰る!」
「いいじゃん、慧君はこっち!」
「慧、彼女できたら教えてね!」
あたしはにっこりとそういって踵を返す。
抜ける口実ができたわ!
あたしは嬉々としてカラオケボックスをでて、帰路についたのだった。

