宮城先輩はあたしを立たせると、腕を引っ張って歩き出した。
下校時間の今は、いろんな人があたしたちを見る。
夏服の宮城先輩は爽やかで、さすがお金持ちというべきか、綺麗な靴にノリのきいたカッターシャツ。
髪も綺麗に整えられていて、いつ見ても鮮やかにムラなく染め上げられた茶髪は太陽に輝いてキラキラしてる。
すごく目立つ部類の人間であり、それを鼻にかけないごく自然なイケメンって感じ。
これからなんの話をすのかと思うと、あたしはそんな余計なことを考えずにはいられなかった。
「暑いから、ここはいるよ。」
引っ張られるように連れて来られたカフェの個室に座らせられると、あたしに口を開くように促した。
「ダンスパーティーの日になにがあった?」

