早川先輩の溺愛。




いやいやいや。


「先輩!ここ外!」


「…だから?」


…だから?じゃないから!!!


「あーもうなんなんですか!
からかって宮城先輩がつけたんです!
…大体先輩だって同じことしたじゃないですか。

あたしが怒られてこんな目にあうのはおかしいですよ?」


今日の早川先輩はおかしい。


いつも、からかいながらもどこか冷静であたしを一歩先からリードしてたのに。


「誰にもあげたくない。」


そう言ってあたしを見下ろす先輩は駄々をこねる小さい子供みたい。


あたしを力で支配してるみたいなのに、


「離してください。」


「っ…、行くな。」


辛そうな早川先輩にあたしは急に後ろめたくなって。