「…藤野さんって無意識な感じがよけいそそるよね。」 「なにかいいました?早川先輩。」 しばらくすると3年の先輩達がだんだんカラオケの曲を入れ始めた。 そんな時。 だるそうな、すごく聞き覚えのある声が耳朶を震わせた。 「わり、遅くなった。」 「おせーぞ、慧!」 あれ。あれれ。あれれれれ。 「慧だ!久しぶり!」 面倒臭そうにカラオケボックスに入ってきたのは近藤慧ーーあたしの幼馴染。 「春!?なんでお前、合コンなんか…」 大きい瞳をさらに見開いた黒髪の幼馴染は、ぱくぱくと口を動かしてる。