大きな背中に手を回して、片手で無造作に乱れた髪を撫でると、
「たまにはいいね。」
早川先輩は小さくそう言って、あたしの背中にぎゅーっと手を回した。
あの時くっついてた冬樹君みたいに、すがりつくようなそんな感じ。
決して涙は流さなかったけど、早川先輩の心は泣いてるような、そんな感じがした。
「そんな俺が女たらしやめたの、なんでかわかる?」
しばらく経ってあたしを離した先輩は、あたしの顔を覗き込んだ。
…何かに本気になったんじゃなかったっけ。
そういえば、その疑問はお蔵入りにした気がする。
あたしが首を傾げると、早川先輩はクスリと笑った。

