「冬樹が生まれた直後くらいに両親が離婚してさ。」
「えっ……。」
美味しいご飯を完食して、おばちゃんにお礼を言ってお店をでたそんな夜。
早川先輩はあたしの手を握ってポツリポツリと話し出した。
「母親と冬樹と暮らしてるんだけど、母子家庭だから忙しいんだよね。
…冬樹にさみしい思いさせたくないからって俺も結構我慢してたし。」
そんなの、知らなかった。
初めて聞く早川先輩の家庭の事情に、あたしは思わず息を飲んだ。
「んで、藤野も知ってると思うけど女で遊んでたわけ。
…そんな俺を母さんはよく思ってなかったし、溝できてるんだよね、いま。」

