早川先輩の溺愛。




「俺が食べさせてあげる。」


頭を振った早川先輩は、あたしの手から奪い取って、ポッキーをあたしの唇に当てた。


チョコの甘い香りがして胸が躍る。


ちょっとだけ恥ずかしかったけど、早川先輩相手に意識するのもバカらしくて、あたしは口をあけた。


うん、美味しい。
あたしの中のお菓子ランキングでは群を抜いて一位のこいつ。


「あっ、早川が春ちゃんにあーんしてる!」

「あたしにもして、秋くん!」

「俺もしてあげようかー、春ちゃん。」


女子はみんな2年生。
年下なのに秋くんとか呼ばれてるんだと思うと、改めて早川先輩の人気を感じる。


そんな人にポッキー与えちゃったってあたしどうなの?
ちらりと早川先輩をみると、ちょっとだけ顔が赤かった。


女たらしでもポッキーあーんは恥ずかしいのかな。


うーーん、女たらしの生態は謎。