「なんか最近、先輩が変に見えるんですもん。」
先輩が、先輩じゃなく見える。
「それどう言う意味?」
「えーと、なんというか…
先輩が男なんだと最近意識し始めました。」
これだ。こうだ。
自分で出した答えにうんうんと頷くと、早川先輩はじーっとあたしをみていた。
「なんです?」
「ふぅーん。」
首を傾げるあたしに意味深に笑った早川先輩はあたしの手をぎゅっと握った。
「もっと俺を男としてみてよ。」
「見てますよ見てます!」
別に女の子として見てたわけじゃないし。
ただかっこ良く思えちゃうだけで。
そんなあたしをひとしきり笑った早川先輩は、恭しく頭を下げた。
「お姫様には悪いですが、今日は庶民的なディナーにご招待します。」
「あら、楽しみね?」
先輩のノリに合わせて笑うと、先輩はくしゃりと顔を崩して笑った。
『あの二人モデルみたい…』
『撮影なのかな!?』
……イケメンの隣はいろいろ大変かも。
注目されてるのがすごく恥ずかしくて、あたしは握った手を引っ張って歩き出した。

