宮城先輩は本当にダンスが上手だった。
あたしがステップを気にしなくても、リードしてくれるおかげで足取りが軽い。
「みんな見てるね、藤野綺麗だから。」
「あたしじゃなくて、先輩を見てるんですよ。」
「これ、絶対カップルに見えちゃうね?」
…それあたし前にいったのに。
あたしは踊りながら、早川先輩や慧に見られてないかドキドキしっぱなし。
「あ、秋だ。」
「えっ!」
その言葉に、あたしは思いっきりつんのめって、思わず宮城先輩に抱きついた。
「積極的〜♪」
「違いますから!」
ニヤニヤ宮城先輩に見覚えがあるな、と思ったら、
「おい。…なに隼士と仲良くしてんの?」
ホールの真ん中で引っぺがされて腕を掴まれたあたしは固まるばかりで。
「早川先輩…」
かなり不満げな顔をした早川先輩は、あたしを上から見下ろした。

