6時ちょうどにアパートの下に降りると、黒光りしてる車が一台。
…まさかね。まさか。
「藤野。」
ドラマみたいに車の窓を開けて華麗に手を振った宮城先輩に、あたしは唖然。
「み、宮城先輩お金持ちの中のお金持ちだったんですか…。」
「んー、まぁね?」
育ちがいいレベルじゃない。
あたしにだってわかる。
迎えにくるっていって車で来ちゃうような人ってなかなかいないよ?
しかも立派な運転手付きで、恭しく後部座席のドアを開けてくれている。
「とりあえず乗りなよ。」
「…失礼しまーす。」
中はいい匂いがして、座席も座り心地抜群。

