早川先輩の溺愛。




時が経つのははやいもんで。


あたしは家の姿見の前に立って、大きくため息をついた。



…これにあってんのかな。


あたしが選んだのはワインレッドの細身のドレス。


胸と腰のラインが強調されるもので、スカート部分も膨らみはあまりなくて飾りのないシンプルなもの。


細かいところの刺繍が上品に仕立て上げられていて、あたしはこれに一目惚れ。



『超似合ってるから。
…春以上に着こなせる女なんていないよ。』


興奮したナオコの言葉だけど、大げさすぎると思うし…。


ってか胸のとことか開きすぎな気がしてきた…。あーもう、絶対笑われる。


目の裏に爆笑する宮城先輩が浮かんで、あたしはもう一度ため息を着いたのだった。