「別に冗談じゃないんだけど。」

「はぁ!?」

「……なんていったら、藤野もっと困っちゃうね。」


クスリと笑う性格極悪の宮城先輩。
腹黒い。腹黒すぎるんですけど。


「ま、いいから俺と行こうよ。
…タキシード姿の秋見れるかもよ?」


「べ、別にそんなの…」


「女の子に囲まれてる秋ほかっといていいの?」


「うぐっ……」



ニヤニヤがおの宮城先輩をちらりと見上げると、わしわしとあたしの頭を撫ぜた。


「決まりな。…オシャレしてこいよ?」


「ちょ、宮城先輩!」


満足そうにいった先輩は、さっそうと風ヶ丘の方へ消えていった。


…マジですか。