ニコリと笑った宮城先輩は、何処かに消えていってーー、
「ちょ、先輩どこから入ったんですか!」
「俺に不可能はない。」
数分後、あたしの目の前、カオリ女子敷地内に現れた。
「それで、藤野はどうすりゃいいんだろうな?」
「ぅえっ、聞こえてたんですか…」
クスクス笑う宮城先輩に、あたしはおもいきり顔を歪めた。
立ち聞きとは、趣味が悪いな。
「聞こえて来たんだから、俺は悪くなーい。」
「聞こえてないフリってのもありでしたよ?」
「いやー、どうしても気になっちゃって。
で?どーせ、秋と慧のコトでしょ。」
「…まぁ、えー、はい。」
鋭い宮城先輩にはなんでもお見通しなのかもしれない。
「慧にも秋にも相談できないこと、聞くよ?」
あたしの隣に腰掛けた宮城先輩は、首を傾げてあたしを覗き込んだ。

