早川先輩の溺愛。




なんだかなぁ…。

翌日。

なんのやる気もでなくてサボりに来たカオリ女子自慢の洋風庭園ーーー。


じつはここ、風ヶ丘と最も近い場所で、授業時以外は禽獣と化した女子たちで賑わう恐ろしい場所。


ただ、いろんな草花が咲いていて、風通りのいいこの場所は密かにあたしのおサボりポイントで。


「はぁぁぁぁあ。

あたしはどうすりゃいいんだろ。」


こんな独り言も、夏の空に溶けて消えるーーーーはずだったんだけど。



「ふーじの。何かお悩み?」


少し離れたところから、聞き覚えのある声。


「み、宮城先輩!」


風ヶ丘とカオリ女子を隔てる緑色のフェンスに、宮城先輩は寄りかかってた。