早川先輩の溺愛。




「ところで、ダンスパーティだけど。」


あぁ、またそれ。
あたしは切り出される前に、自分から口を開いた。


「早川先輩、あたしそれ行かないんで。」

その日は家にこもってやる!


「…近藤の誘いを断ったから?」


「まぁ。…ってかなんで知ってるんですか!?」



道を歩きながらばっと先輩を見上げると、少し不満げな顔をした早川先輩があたしをみていた。


「俺と行けよ。」


いつもは基本的優しい口調なのに、命令口調なのが、あたしを戸惑わせる。


じゃなくて。



「…行けません。」


やっぱり慧にごめんなさいした手前、早川先輩とパーティに行くのはおかしいと思う。


きっと慧を傷つける。