それからのことはよく覚えてない。
「返事はいまじゃなくていいから、よく考えて。」
そう言って帰っていった慧の後ろ姿を見えなくなるまで眺めて、あたしはフラフラと部屋に戻った。
慧はあたしのことが本当はLOVEな意味で好きだったってこと?
正直あたしはそんなこと考えたこともなくて。
兄弟がいないあたしのお兄ちゃんみたいなもんで。
好きってなんだろ…。
そこまで考えたあたしは、ふとある人の顔が思い浮かんだ。
あたしは、慧のことが好き。
そして、早川先輩のことが好き。
その好きはイコールで結べるものなのかと考えたとこで、あたしはピシリと固まった。
もー、やだ。
ここであたしは信用のおける女友達を作らなかったことを後悔するコトになる。
なんかもう、意味わかんないから。
早川先輩にドキドキするのは、恋なのかな。
それとも、慧を失いたくないと思うのが恋?
あたしは悩みに悩んで結局、なにもせずに眠りについた。