「俺は、もう春にも早川にも遠慮しねぇし。
…欲しいものは手に入れる努力をする。」
「うん?」
「だから、幼馴染じゃなくて、男として俺を見ろよ。」
…えっと。
「あたし慧は男だって知ってるよ?」
イマイチ読めない展開。
もっとわかりやすく言って欲しい。
「そういうこと言ってるんじゃねーよ。」
「け、慧!?」
そういった慧は、身をかがめてあたしの頬にキスをした。
「俺はいつも、春にキスしたいし抱き締めたいし俺だけを見て欲しいって思ってたよ。」
「け、い?」
目の前にいるのは誰だろう。
あたしの知ってる慧は、あたしを女ともなんとも思ってないようなそんな人で、
あたしの幼なじみで、あたしをいつも応援してくれるそんな人。
「春が他のやつのになるなら、俺は幼馴染を捨てる。」
…あなたは、誰?