早川先輩の溺愛。




いやまさかね。
腰を掴まれてどきっとした私は、少しだけ身をよじった。


「ねぇ、この後さ…」

耳元で佐々木先輩が話し始めた時。


「礼央、そろそろ交代してよ。
俺も藤野さんと話したい。」


早川先輩の低くて響きのある声に遮られた。
間近でみるとさらにイケメンさんだった。


禁欲的な顔してるのに、女たらしなんて。
にわかには信じがたいけど、自他共に認める生粋の女たらしらしいからわからないもんだよね。


渋々といった感じで席を変わった佐々木先輩の席にストンと座った早川先輩は本当に様になる。