そしてなによりあたしを乱すのは、
「早川先輩ドキドキしすぎ。」
あたしじゃない大きな胸の音。
「藤野がこんなに近いんだから、ドキドキするっての。」
毎度ながらドストレートな言葉に、あたしは赤面必須。
「…ってか俺!汗臭いじゃん。
ごめん!」
「へ!?」
…超今更なんですけど!
慌てて離れようとする早川先輩を、あたしは思わず引き止めた。
「…藤野!?」
「確かに早川先輩はいつもいい香りがしますけど。」
なんかそれ以上は言えなかった。
汗臭いのが平気なわけじゃないけど、なんていうか、今は平気というか。

