早川先輩の溺愛。

「俺、かっこ悪りぃ。」

保健室につくやいなや、開口一番でそういった早川先輩に、あたしはため息をついた。


「あたし、早川先輩のかっこいいとこなんてあんま見たことないんですけど。」


見た目は置いといて、

弟の病気にオロオロするとことか、すぐ赤くなるとことか、ケーキの趣味は女の子とか、不毛な張り合いを続けるとことか。


早川先輩の想像するかっこいい男、とは程遠い。


「それでもあたしは、早川先輩は素敵だと思いますよ。」


バスケも上手だし、あたしに優しくしてくれるし、たまに欲しい言葉をちゃんとくれる。