いいから、とあたしをせかす宮城先輩に気圧されたあたしは、 「隼士先輩…?恥ずかしいから離して。」 言われた通りに宮城先輩を見つめてそう言った。 絶対顔赤い、慣れてないし、しかも相手はほぼ初対面のイケメン君。 『合格。』 不敵に笑った宮城先輩を見た瞬間、 「隼士!藤野はダメだって言っただろ!」 後ろから目隠しされて、抱きすくめられてしまった。 聞き間違うはずのない、低くて心地いい声で。 そして、ここにいるはずのない声の持ち主。