前半戦は25対20で風ヶ丘の優勢。
一応公式の試合らしく、早川先輩はともかく他の部員はスゴく熱が入ってた。
ハーフタイムに入るや否や。
…なんか近すぎなんですけど!
遠巻きに見ていた女の子達が、早川先輩の周りに集まってタオルやらなんやら渡している。
なにあれ。
脱女たらししたんじゃないの?
…なんて意味のわからない不満があたしの中から溢れ出た。
「藤野、すごい顔してるよ?」
「…っは。」
「…気になる?秋が。」
意味深な言葉に、あたしはしばらく考え込んでまた口を開いた。
「気になるってか、正直かなり気に入らないんですけど。」
早川先輩に近すぎだし、振り払わない先輩にもなんか腹立つ。