「俺はお前を心配して…「嘘でしょ。」」
「それは違うよ、慧。」
「早川先輩は悪い人じゃないってわかってるくせに。」
慧は昔から、心を許したりいい奴だと思った人とじゃないと、気を許さない。
いくら喧嘩腰だって、あそこまで自然体でいるってことは、早川先輩を認めてるってこと。
「今日の慧はおかしいよ。
…慧は友達を貶めるようなこと、言わないもん。」
悔しくてさみしかった。
なんで慧がそんなこというのかも。
早川先輩が悪いように言われるのも、全部全部。
「今日は、帰って。」
息が詰まって苦しい。
さっきまでの楽しい雰囲気は何処かへ飛んでいってしまった。