数分後、ようやく喋れるようになった会長は、俺にファイルを手渡した。



中身は地図と、十数枚の生徒の写真。




「東校連盟の生徒達に男子は殴られ、女子は襲われ……怖くて夜まで部活ができません!お願いします!どうにかして下さい!」





会長と副会長は頭を下げた。


写真の男子は皆気が弱そうだし、女子は初伊には遠く及ばないけれども一般的に見て美人と言える人で。


東は本当に下種だよね。








……面倒だなぁ。






初伊に被害が及ばないなら別にどうでもいいんだけど。




「会長、副会長。東を止めますから安心して下さい。西校連盟は、西校生を守る為にあるんですから。必ず助けます。」



「はい、有り難うございます……!」





俺が答えるより先に返事をしたのは行成だった。

多分、俺が乗り気じゃないのを察したんだろうね。


あいつはマフィアの跡取りの癖に、謎の正義感を持ってるから。







帰り道、無言を断ち切ったのは行成。

日取りはいつにする?なんて笑わせる。






「行成、行ってくればいい。引き受けたのはお前だよ。」





俺は東を攻めるつもりはない。

会長を助けるとも行ってないから。





「〜〜っ、いやいやいや待って。西校を守るのは西校連盟の仕事!」