「いやー、助かったぁ。ありがとね。」
どうしようかと思った、とその子は安堵の声を漏らした。
「いえ。……ただ、今度から雨の日は片手で持てるだけにした方がいいですよ。」
もしくはエコバッグを持ってくるとか。
良心からの提案だったんだけど、ちょっとムッとした顔をして。
「あんた……俺がこんな雨の中、敢えて11本も缶ジュース買ったと思ってるワケ?」
「違うんですか?」
聞くと、違うよーと溜息をついた彼女。
「俺が買ったのは8本。俺的ギリギリ片手で持てる量だった。」
いや、持てないだろ。
そう思ったけどツッコミはしまい。
「だけど……8本目を買ったときに、突然自販機がピコピコ鳴り始めた。」
おめでとう、おめでとう♪
「そ、それはまさか噂に聞く……!」
「そう。“当たり”だよ。しかも……」
何だかルーレットをするように機械に誘導され、
画面をタッチしてボタンを倒したら……
「“3”、出てきちゃったんですか。」
「……もはや罰ゲームだよ。」
はぁ、とその表情は憂いを帯びている。
影をつくる、長い睫毛。
……美少女だなぁ。
しかも、しかもね。
「ねぇ、あんた何年生?俺高1なんだけど……。」
「あ、私も高1です。」
さっきからこの子、自分のこと“俺”って言ってるの。
美少女が“俺”。
萌えるよね。


