「愛……されてる?……何言ってる訳。そんな嘘……。」
「嘘なんかじゃないです。」
「嘘!絶対嘘!」
姫先輩は信じようとしない。
私の言ってることを、ただの気休めだと思ってるから。
証拠だってあるのにね。
「姫先輩はちゃーんと愛されてるんです。先代の西校総長、如月 悠河に。」
「悠河君?……ていうかえれな、初伊ちゃんに名字教えてないのに……。」
そう、姫先輩の話の中では、“悠河君”の名字は聞いてない。
「う……え……?知り合い?」
「如月悠河先輩。如月製薬の御曹司で、お姉ちゃんの親友の友達です。」
つまり天音先輩の友達。
私が陰飛羽に入ってすぐの事。
お姉ちゃんが天音先輩と悠河先輩を連れて家に来た。
天音先輩ならいつも来るから平気だったけど、初対面で、しかもガタイのいい男子に私は人見知りを発動し、物陰に隠れていた。
「お、これが噂の志乃の妹か。」
「そうよ。可愛いでしょ。」
おいで、初伊。
私を呼ぶお姉ちゃんの声に恐る恐る出ていけば、そのガタイのいい人は歯を見せて、気持ちいい笑顔で笑った。
「初めまして。志乃とはUSSでいつもお世話になっている、如月悠河と言います。」
それから何度かUSSの活動とかで、天音先輩と悠河先輩は何度か家に来たんだ。


