「別に、お前にみっともないって言われてもどうもしないよ。俺の第一信条は初伊。それ以外は興味ない。お前も、俺自身にも。」
掴まれていた手をパシリと払う恵。
恵は。
恵は、確かに私の事を大切にしてくれる。
でもさっきの言葉にあったように、自分の事に興味を持たない。
自分の命にも特に何にも思ってないと思う。
それが、私は怖かったりする。
いつか恵が私の為に自分の命を捨ててしまうんじゃないかって。
東麻君と恵は、そのまま睨み合いを続けていた。
「ふっ……結局……付き合ってるんじゃない。」
冷えきった部屋の中で、ポツリと姫先輩は呟いた。
姫先輩の一言に、睨み合ってた二人も姫先輩を見る。
「結局初伊ちゃんは、恵君にも……出会ったばっかりの敵だったはずの美琴君にも好かれるんだ。えれなは……誰にも愛されないのに。」
ずるい、ずるいよ。
ポロリ、とその目から涙が零れたのを見た。
何だか、私よりもずっと大人びていた姫先輩が、一人ぼっちで寂しいと泣いている子供みたいに見えた。
姫先輩、なんだかんだ言ってやっぱり欲しいのは、地位じゃなくて愛なんでしょう?
気付いてないんですか?
「姫先輩は、愛されてますよ。」


