なんで突然キス?!
危うく本当にしちゃいそうな近さだったよ?!
私は今まで見せたことのないような早歩き(後ろ向きver.)をして恵から距離を取った。
ドンと背中に壁がぶつかる位後ろに下がって恵と距離を取る。
あれはやばい。
あれは恵が本気の目だった……。
あと2、3秒遅かったら橘に顔合わせ出来ない所だった……!!
バクバクと今も心臓は煩く跳ねる。
「なっ、なぜでしょう?!」
「何故って……初伊があーんまりにも可愛いから、したくなっただけ。」
残念、未遂になっちゃった。
さっきの色っぽい目を継続させたまま、恵は言った。
心臓のメーターがドキドキ言い過ぎてはちきれるかと思った。
「ねぇ、取り敢えず色々ツッコミたいんだけど。」
事の一部始終を見ていた東麻君が声をあげた。
事の一部始終……。
事の一部始終?!
相思相愛のくだりから全部見られてたって事だ。
ほぼ初対面の男子と姫先輩に、キスされかけたシーンも見られたって事。
二人の表情を見れば、二人共冷めた目をしていて。
色々と失態を侵したらしい。
本当に……やらかしたらしい。


