協力、と言うのは西の情報を伝える事。
いわゆるスパイ活動だった。
初めは罪悪感があったが、情報を伝えれば伝える程美琴君は優しかったしお願い事も聞いてくれた。
何より─────
「田中君、痛そう……大丈夫っ?」
心の底から心配してるんですよ〜って演技がたまらなく楽しかった。
ねぇ、えれなのせいで怪我したのに、大丈夫って気ぃ使って、馬鹿みたい。
超滑稽。
美琴君がうまいことやってくれたから、私がスパイだとバレずに済んでいた。
でも情報をリークする回数が増えれば増えるほど、副総長の行成君がスパイを見つけようと躍起になった。
もしバレたら、西での居場所が……陰飛羽での地位がなくなってしまう……!
決してバレないように、西ではいつも息を潜めていた。
ある日、いつもどおりの夕方、旧校舎で女の声が聞こえた。
平ヤンキーが女を連れ込むなんて真似が出来る筈がないから、もし連れてきたとしたら恵君か行成君。
でも恵君の彼女ではないはず。
あんな人生に興味ありません、なんて顔してる人が作るわけない。
そう思ってたのに、
「俺の大切な人だから、手出したら殺すよ。」
……。
はああああ?!
何それ何それ何それ!!
突然現れた初伊、という女にベッタ甘な恵君。
普段を知ってる人からの見れば、あなた恵君ですか?って聞きたくなるような変わりよう。
恵君だけじゃなくて、行成君まで優しくしてる。
自分の居場所が取られた気がして、面白くなかった。
初伊ちゃんが西に来たことが、本当に嫌だったんだ。
えれなside end


