彼らが卒業してすぐ、次世代の総長が現れた。
総長を決める戦いは生き残り戦らしい。
我こそは、とその座を望む人達が一斉に殴り合い……殺し合いと表現するほうが正しいかもしれないけど、喧嘩しあって、残ったただ一人だけが総長になれる。
「はじめまして。西巴恵です。」
超高倍率、死すら覚悟の喧嘩をくぐり抜けた新しい総長は、悠河君とは比べ物にならない程の美形。
でも笑いもしない、冷たい美しさを持つ人形のような人だった。
恵君が総長なら私はお払い箱にされてしまうかもしれない。
色仕掛けでもしようかな、と思っていたら意外にも、
「彼女いないんで、姫やっていいですよ。」
なんて簡単に姫残留を許された。
私が好きなのかな?なんて思って、様子を見てみれば目すら合わせない。
恵君から私は空気のように扱われていた。
でも西高の姫の価値は高くて、権力はあった。
悠河君の時と違って、私が何をしても心配も怒りもされなかったから、何事も干渉されないで好きなことが出来てある意味楽だった。
この生活を守っていくのもいいかもしれない。
そう思ってた矢先の事。
「初めまして、宮前えれな先輩♪」
雨降る夜、黒い傘と共に現れた少年。
それは新しい東の総長だった。
「僕、知ってるよ。あなたが今までやってきた事。黙ってて欲しかったら───協力して?」
あなたのお願いも聞いてあげるから。
そう言って彼、美琴君は微笑んだ。


