「な……何するのよ!!」
お父様にも打たれたことないのに!とお決まりのテンプレートを叫ぶ姫先輩。
先輩の頬には私の手の跡がくっきりと残ってて痛々しい。
「痛かったですか?」
「痛いに決まってるじゃない!!」
「でしょうね。吉良も言ってました。」
「「え……。」」
なんか後ろから驚嘆の声が聞こえたけど聞こえない振りをしよう。
何て可哀想な……なんて聞こえたけど気の所為だ。
「でも……バットで殴られるよりましでしょう?」
「当たり前でしょ……!」
「じゃあ……高橋君や、その他の西校生は姫先輩よりずっと痛かったって事です。」
「!」
私の言いたいことが伝わったらしい。
姫先輩は、口を閉じた。
「帰りますよ。帰ってやらなきゃ行けない事があるでしょう?」
「はっ……ないわよ、そんなの。大体……もうえれなと西は関係ないんだもん。」
開き直ったような笑み。
そういうのが正しいであろう不敵な笑みを浮かべた姫先輩は、入口に立っていた東麻君の元へ駆け出すとその腕を掴んだ。
こてん、と頭を東麻君の肩に乗せて微笑む姿は先日までの可愛らしい姫先輩そのものだった。
「えれな、東に転校するの。だから、これからは東の姫。西巴君はもう用済みよ。」
「用済みって………。」
「だからさぁ、もういい人ぶらないでもいいから。西の姫になりたくて、私が邪魔だったんでしょ?」


