「いっ……!」
まさか守ってる相手から攻撃されるとは思っていない恵。
警戒がなかった分、蹴りは強く入った。
恵は床に座り込んで、力なく私を睨んだ。
「〜〜っ、初伊!」
「……ごめんね☆」
てへぺろと、効果音がつきそうなお茶目ウインクでごまかそう。
「西巴君って……不遇。」
ちなみに一部始終を見ていた東麻君は、憐れみの視線で恵を見てたとか。
ようやく道が開けた。
姫先輩をまっすぐと見据えながら、姫先輩乗方へ歩き出す。
姫先輩は私のただならぬ様子を察してか、びくりと体を強ばらせた。
「な、何よ。」
「姫先輩、1個だけお願い聞いてもらえます?」
「はぁ?お願い?」
何で私が、とかごちゃごちゃ言ってるけど関係ない。
右手を用ー意。
私のお願いは……
「歯ぁ食いしばってくださいってお願いです。」
「きゃっ!」
バチンッと大きい音が部屋に響きわたった。
……手がジンジンする。
姫先輩も右頬を押さえて私を睨んでる。
「えっ……う、初伊ちゃん、えれなちゃんを怪我させないために橘君から遠ざけたんじゃ……。」
「男が女に手ぇあげちゃだめって言っただけです。」
女同士だもん、と東麻君に反論。
そうです。
思いっきり、姫先輩の頬をビンタしました。


