だよねぇ、と東麻君は微笑んで。
「あの冷血漢が誰かと付き合うとか、想像もつかないよね。ってか有り得ない。」
「恵と付き合ったら家から出して貰えなさそう。監禁確定だよ……!」
同じタイミングで真逆の事を言った私達はお互いに顔を見合わせた。
「何それ、監禁って。訳わからない。」
「こっちのセリフだよ。……冷血漢?」
なんだか私の知ってる恵は、東麻君の知ってる恵とは違うらしい。
「ところで私いつまでここにいるんでしょうか。早く姫先輩を連れて帰りたいんだけど……。」
ここに来てから熱が上がった気がする。
出来ることなら早く姫先輩を連れてここから出て、早く家で休みたい。
「えれなちゃんは帰らないよ。」
「帰れない、が正しいっすよ。」
「帰れない……?」
訳が分からなかった。
だって私、姫先輩を迎に来たんだよ?
なのに、帰れないって……どういう事?
「初伊ちゃんはね、餌なんだ。吉良君を呼び出して、南に喧嘩を売ろうと思ってる。」
あわよくば西もね、と付け加えられる。
「ねぇ、本当の事教えてあげよっか?」
美琴先輩!と蛍君は静止の声をあげたけど、それは意味を成さなかった。
「宮前えれなはね、西の裏切り者。それから……あの夜、初伊ちゃんを東校生に襲わせたのもえれなちゃん。今初伊ちゃんをここに呼び出すことを計画したのもえれなちゃん。」
初伊ちゃんが信じてたものは、偽物だったみたいだね。
東麻君はにっこりと笑った。


