奔放なモニカに突き動かされ、僕は彼女と結婚することになった。



村の再建をしばらく手伝うつもりでここに来たのに…
僕は、この村に骨を埋めることになりそうだ。



この先、僕やこの村がどうなっていくのかはわからないけれど、きっと、ここはよみがえる。
昔よりも素敵な楽園になるんじゃないかって……なんだか、そんな気がする。



「シンファ!
なに、サボってるの!
今日中にここを耕してしまうんだから、気合いいれてやりなさい!」

「はーい。か……あ…」



僕を物思いから覚ましたその声は、母さんではなく、モニカのものだった。
もうじき僕の奥さんになるその人だ。



そうだね…
彼女がいたら、きっと無理だと諦めてしまうようなことだって出来てしまうんだろう。



(何の心配もいらないね…)



わき目もふらずに働き続けるモニカに近付き、僕は彼女の手を握った。
汗にまみれた小さいけどたくましいその手を僕は握り締めた。



「シンファ……?」

「モニカ……これからもよろしくね。」



不意に抱きついてきた彼女の温もりが…伝わる鼓動が……僕にはこの上なく大切なものに思えた。



~fin~