「あぁ…そのことか…巫女は左の掌に紋様が現れるのだ。
皆、唐突にな。
もちろん、消える時も唐突だ。
それが、巫女の証となる。
たいがいは十歳あたりから長くとも二十代の半ば頃までだ。」
「でも…ここにはそれほど多くの人が住んでるとは思えません。
そんなに次から次に…」
「巫女はいつもいるとは限らない。
何年もいない時期もあるのだ。
もちろんいる時には格別に作物の実りが良く、天候も穏やかで、子供が生まれたり、金が出たりと良い事尽くめなのだがな。
クロードが来た当時、エアリスは確か二十歳を越えていたと思う。
あとしばらく辛抱すればきっとこんなことにはならなかったのだろうが…若い二人にはそれが出来なかったのだろう……」
(母さんのせいで……)
すぐには信じられないような話だった。
母さんがこの村の巫女で…
そして、禁じられた恋をして、そのせいで村はこんなことになって、僕はこんな身体になって……
一昔前の話を聞いてるようだった。
僕も、僕の村の人達も神様のことは信じている。
村には神父様はいないけど、日曜にはいつも皆で隣町の教会に通ってた。
精霊の存在を信じる人もいるにはいる。
だけど、精霊が人間に報復し、村を壊滅させる程天候を自由に操るなんて、僕にはまだどこか信じられない想いだった。
まるで、魔法使いの出てくる御伽噺みたいに思えた。
(あ…)
「ガーランドさん、以前、母さんがここに来たはずですが、母さんは何をしに来たんですか?」
「エアリスは、祠で精霊に詫び、毎晩歌と舞いを捧げたんだ。
一月の間ずっとな…
しかし、それでも精霊達はエアリスを許さなかった……」
「母さんがそんなことを……」
「エアリスは村の様子を見て、とても心を痛めていた。
しかし、それよりもおまえの身体を直してもらおうと、とにかくそのことで必死だったようだ。」
「そ、そんなこと嘘だ!
だって…母さんは…!」
その時、扉が開く音がして、ライアンが姿を現すなり大きな声で僕の名前を呼んだ。
「シンファ!
……そのことは、俺が説明するよ。」
怪我をした足を少し引きずり気味に、ライアンは僕の傍に近付いてきた。
皆、唐突にな。
もちろん、消える時も唐突だ。
それが、巫女の証となる。
たいがいは十歳あたりから長くとも二十代の半ば頃までだ。」
「でも…ここにはそれほど多くの人が住んでるとは思えません。
そんなに次から次に…」
「巫女はいつもいるとは限らない。
何年もいない時期もあるのだ。
もちろんいる時には格別に作物の実りが良く、天候も穏やかで、子供が生まれたり、金が出たりと良い事尽くめなのだがな。
クロードが来た当時、エアリスは確か二十歳を越えていたと思う。
あとしばらく辛抱すればきっとこんなことにはならなかったのだろうが…若い二人にはそれが出来なかったのだろう……」
(母さんのせいで……)
すぐには信じられないような話だった。
母さんがこの村の巫女で…
そして、禁じられた恋をして、そのせいで村はこんなことになって、僕はこんな身体になって……
一昔前の話を聞いてるようだった。
僕も、僕の村の人達も神様のことは信じている。
村には神父様はいないけど、日曜にはいつも皆で隣町の教会に通ってた。
精霊の存在を信じる人もいるにはいる。
だけど、精霊が人間に報復し、村を壊滅させる程天候を自由に操るなんて、僕にはまだどこか信じられない想いだった。
まるで、魔法使いの出てくる御伽噺みたいに思えた。
(あ…)
「ガーランドさん、以前、母さんがここに来たはずですが、母さんは何をしに来たんですか?」
「エアリスは、祠で精霊に詫び、毎晩歌と舞いを捧げたんだ。
一月の間ずっとな…
しかし、それでも精霊達はエアリスを許さなかった……」
「母さんがそんなことを……」
「エアリスは村の様子を見て、とても心を痛めていた。
しかし、それよりもおまえの身体を直してもらおうと、とにかくそのことで必死だったようだ。」
「そ、そんなこと嘘だ!
だって…母さんは…!」
その時、扉が開く音がして、ライアンが姿を現すなり大きな声で僕の名前を呼んだ。
「シンファ!
……そのことは、俺が説明するよ。」
怪我をした足を少し引きずり気味に、ライアンは僕の傍に近付いてきた。



