綺麗だったなあ、姉さん。 そう言って青年は、物憂げに溜息をつく。 真っ赤な血を、 髪の毛から滴るぐらいに浴びて…… 忘れられないよ。 私が顔をしかめたのがわかったのか、 青年はくすくすと笑いながら言った。 ああ、理解しないでいいよ。 僕のこの気持ちは、 姉さんと僕以外 誰にもわからないだろうし。 わからせるつもりも、無い。 雄弁に話す青年の目は冷たく、 野生の獣のような鋭さを持っていた。 私はそれに肌を刺すような恐怖を感じ、 思わず彼から視線を逸らした。