カーテンの向こう側に見える ふたつの影を見て、 私はペンを握り直した。 白い診断書に、 さらさらと文字を書き込んでいく。 『重度の精神的錯乱。 及び軽度の記憶障害。 退院し、自宅療養を推奨する』――…。