窓の側に立ち、 頬を優しく撫でる春の風を楽しんだ。 新しくほころびだした 新緑の芽たちを見ながら、 そう言えば今日は 僕の誕生日だったのだと思い出す。 二十歳の、誕生日。 そっと目を閉じた時、 背中に小さな温度を感じた。 丁度、小さな手のひらくらいの――…。