それ以上は何も話せなかった。
失った信用を取り戻すのが、一番大変なのは知ってる。
俺の方なんて見向きもしてくれない。
前はあんなに好きって言ってくれたのに………。
俺も、もっと好きって言えばよかったかな?
「……気が向いたら、教室来てね。待ってる」
「今日は行かない…。授業に出たい気分じゃないもん」
「担任に頼んで席替えしてもらう?」
「それは嫌!!……っ」
ガバッと起き上がり切なそうな顔で言った。
俺と席……離れたくない?
だからそんな風に否定してくれるの?
不覚にも嬉しくなる。
「碧依くんと離れるの…ヤダ…」
「……でも俺のこと大嫌いなんでしょ?」
「大嫌いだよ!婚約者がいて、女の子にモテモテの碧依くんなんて大嫌い…!」
「泣かないでよ…」
ポロポロ涙を落として、俺の制服の裾をぎゅっと掴む。
久しぶりに抱きしめた羽珠の体は震えてた。

