それからずっと、あたしは碧依くんを避け続けた。


前みたいに「好き」も絶対に言わない。


あたしが碧依くんから離れたことを良いことに、園寺さんが益々碧依くんにベタベタする。


もうヤダ……隣の席。


保健室にでも逃げよう。


そう思って廊下に出た。



「俺なんかした?」

「……碧依くん…」

「避けてるでしょ。俺のこと」


なんかしたも何も………


避ける以外にどうすればいいの?


「碧依くんがあたしに隠し事して嘘付いてたから……。ほんとのこと言ってほしかった…!」

「だから隠し事って何?」

「碧依くんさ……婚約者いるのに、あたしと付き合ったんでしょ?なんで?」

「それ誰から聞いた?」

「……園寺さん…」



ヤバイ………


また泣きそう。


碧依くんは困った顔をして、あたしから目を逸らした。


ほんとのこと、だったんだ………。


あたし……ずっと碧依くんと一緒にいられるって思ってたのに…。



信じてた自分のバカさ加減に呆れる。