一人立ち尽くして困惑するあたしを、その場に置いて行くように話し続ける園寺さん。
高めの声が耳と心に響いてツライ。
待って……あたし分からないよ。
「あなた碧依のこと何も知らないで付き合ってるわけ〜?図々しい!!」
「だって……碧依くんが何も話してくれなかったから…」
「しかも、碧依のせい。いい?まず、あなたと碧依は釣り合わないの!碧依はね、医者の息子でしっかりとした教養もあるのよ!」
「医者の息子…なの?そんな家柄だったなんて……」
知らなかった。
確かに、普通の人より裕福なのは気付いてたけど婚約者がいる程なんて、初耳。
あたしに隠してたの?
隠さないで全部、話してほしかった。
「これで分かったでしょ?あなたと碧依が釣り合わない理由!」
「もういい」
「はい?」
「もういいよ。…あ、あたしが碧依くんと釣り合わないって十分分かったから…」
どれぐらいか分からないし、覚えてないけど廊下を走った。
碧依くんとの待ち合わせなんて、どうでもよくなって一人で帰って来ちゃった。
やっぱり、あたしが恋なんて……
ダメだ。

