【碧依side】
何、このマズイ状態。
俺がベッドの上に座ると、俺の膝の上に跨って向かい合わせで座って来る女の子。
そして、俺を苦しいぐらいにぎゅーっと強く抱きしめて耳元で囁く。
「好きっ」
そのままの流れで、俺の唇にキスをしてリップ音を部屋に響かせる。
パッチリとした瞳に、透き通るほどの色白の肌とピンクの頬に、柔らかい唇。
茶色がかった髪はカールしてあって、誰もが認める美人…だと思う。
また、俺に抱きついて今度はベッドに押し倒してくる。
「ねぇ、碧依。シたい♪」
「女の子がそうゆうこと言っちゃダメ。早く俺から降りて」
「え〜っ……ヤダぁ〜!私、まだ満たされてないー!碧依、相手にしてよっ」
「いいから降りなさい。ここ俺の部屋だし」
「あっ!じゃあ、私の部屋ならエッチしてくれる?」
「しません」
膨れた顔で俺から降りるこの女の子こそが、俺の幼なじみ兼婚約者の園寺ユリア。