首を傾げる俺の頭をぺしっと叩いて苦笑いを浮かべる朝陽は、どこか呆れてるっぽい。
俺……そんなマズイこと言った?
今度は嫌味のように、おっきなため息をつく。
「碧依なぁ〜……バカじゃないだろ?」
「まぁ、そこそこ人並み以上に勉強は出来るかな」
「勉強面じゃなくて!その他の面でだよ。なんで、付き合ってんのに苗字呼び!?」
「会った時から小宮って呼んでる、から」
だから今更変える必要性が分からなくて、そのまま小宮呼び。
実際、それで小宮も何も言わないし。
朝陽は困った顔をしながら、一度咳払いをして言う。
「女の子って複雑かつ単純なんだよ。あとで小宮ちゃんの名前呼んであげたら、すっげー喜ぶから!」
「小宮の名前は……羽珠。羽珠って呼んであげればいいの?」
「その通り!俺も最初は皐月のこと、星野って呼んでたけど付き合ってから変えたし」
「ふーん。名前呼びか…」
そいえば俺、一回も羽珠って呼んだことなかった。
小宮は俺のこと“碧依くん”って呼ぶのにね。
今日の帰りにでも呼んであげよう。

