【碧依side】
ダルイ体を無理矢理起こして、うんと高く背伸びする。
詰所のソファーは寝心地悪いな……。
でも今日は仮眠取れたから良い方。
「おっ、碧依おっはよー」
「んー…はよ。リューシン」
「眠たそうだねぇー!相変わらず!でも、明日休みだっけ〜?」
「俺だって、たまには休みたいし」
「ははっ!寝不足お疲れ〜」
へらへら元気なリューシンは、正直羨ましい。
この元気な性格と見た目で、相変わらずモテる。
特に、リューシンは年上キラー。
目覚まし代わりに、苦いコーヒーを流し込むのはもう日課。
羽珠が淹れてくれる甘いコーヒーが恋しい……。
「碧依〜!」
「ここでは、その呼び方禁止」
「げっ!ごめん…じゃなくて、すいません!神木先生」
人の良さそうな笑顔と、明るい茶髪。
羽珠の弟の楚良が研修医として、俺の下についてる。
あのヤンチャだった楚良が医者なんて、最初はめちゃくちゃびっくりした。
けど、仕事になると案外真面目なんだよねー……。