部屋のカタログを広げる俺の向かい側で、新しく建設中の病院のパンフレットや書類を並べた。
この病院も想像つかないほどの大金で建ててるんだろうね。
「今、父さんは碧依の将来を考えてる」
「え?」
「建設中の新病院で碧依には働いてもらう。後には院長になれ」
「話がデカ過ぎ……」
「真面目に考えといてくれよ〜」
父さん軽過ぎる……。
俺には壮大なんだけどな。
まず、医学部で知識を身に付けるのに6年間。
研修医として勉強を積むのに2年間。
それからは俺が医者として築いていく。
もう、なんか………
先が全く見えない……。
「その顔は…珍しく自信なさげな顔だな?」
「自分で決めた道なのに、全く分かんない」
「そんなもんだ。若い内はたくさん悩め」
「悩みたくないよ…」
今の環境なら、このまま高校生でいるのも楽しいと思う。
羽珠と会えた時点で、俺は楽しかった。
好きな子が側にいる幸せはきっと、これからも大きくなるんだろうな。

