ある程度の推薦入試も終わると、チラホラ卒業後の話を聞く。
“卒業”か………。
全然、想像つかないや。
今、この環境じゃなくなって……
皐月も、岬も、碧依くんもいない環境なんて全く分からない…。
寂しくて考えたくもない。
休み時間に、教室で何かのカタログをジーっと読んでる皐月。
「皐月は真剣に何読んでるの?」
「あ、これ?賃貸のカタログ」
「賃貸……家?一人暮らしするの!?」
「うん。大学遠いから、一人暮らしした方が安上がりだし」
カタログを覗くと、
『春からの大学生にオススメ!』
『新生活応援フェア!』
なんて、広告がたくさん。
「一人暮らしとか未知の世界……」
「同じく。でも、しなきゃいけないから。仕送りもらえるだけ有難い」
「仕送り!…皐月がちょー現実的…」
「あたしは元々、羽珠と違って現実的よ」
「ひっどーい!」
そっか………
そうだよね。
春からは何があっても、みんなバラバラ。
将来を追って頑張るために。
卒業しちゃうの寂しいな………。

