あくびを一つして眠い目を擦りながら歩く早朝の廊下。


昨日徹夜して今日中の課題終わらせたせいかな?


………すっげー眠い。



「おっはよー!!碧依くん♪」

「うわっ……羽珠。おはよ」


教室に入った瞬間、俺の背中にグリグリ頭を擦り付ける張本人。


ふにゃっと笑って幸せそう。


「碧依くーん」

「なに?」

「えへへ〜なんでもなーいっ♪」

「あっそ…」

「好きー!!」


朝だから素っ気なくしちゃう。


なのに『好き』なんて嬉しい言葉を聞かせてくれる。


俺だけに向けてくれる気持ち。


ヤバイ………


自分で考えといて照れる……。



「おーおー、朝から抱き合っちゃって!熱いねぇ〜♪神木ファミリー!」

「朝陽、うざい。これ、一方的にやられてんの」

「言い訳ご無用!どんどんイチャって〜♪」


後ろにいる羽珠に視線を落とせば、真っ赤にしてる頬。


耳までね。


可愛いなー………ほんっと。


「ごっ、ごめんね!今離れる!」

「いいよ。離れなくても」

「…じゃ、あと少しだけー♪」


離れないで。


もう少しくっついてて。