「で?どうなったんだよ!」
「どうって……そのまま帰った」
次の日の学校での昼休み。
俺の前の席に座って後ろを向いて、昨日の放課後のことをグイグイ聞いてくる朝陽。
失礼なことに、呆れたような顔で俺を見てくるし。
「何さ?」
「いや、だってお前……連絡先の一つも交換しなかったの?」
「だって必要性ないじゃん」
「例えば!なんかあったら、この番号かけろよ〜とか!色々あんだろ!」
なんで俺がこんなに朝陽から、お説教されなきゃいけないわけ?
俺、なんも悪いことしてないよ。
「碧依ってマジで女泣かせ。あんまり小宮ちゃんのことイジメんなよ〜」
「イジメてない。ただ駅まで送ってあげただけ」
「そこだよ!ほんとに嫌いで興味ない女のことなんて普通は、駅まで送ったりしねぇじゃん?」
「女の子に夜道一人で歩かせたら危ないし……」
「バカ!女の子にじゃねぇだろ?……小宮ちゃんに、だろ♪」
何言ってんのさ……朝陽。
不満気な視線を朝陽に送ると、ニヤッと笑って小声で言った。
「地味に小宮ちゃんのこと気に入ってるしょ?」